【第35回イブニング新人賞応募受け付け中】『累 —かさね—』松浦だるま氏スペシャルインタビュー・前編をお届けします!

2017/02/28 00:00

インタビュー・対談] [新人賞

現在募集中の「第35回イブニング新人賞」関連記事)で特別審査員長を務める松浦だるま氏もイブニング新人賞出身!

そこで松浦だるま氏にスペシャルインタビューを行いました。

前編では、イブニング新人賞を受賞してデビューするまでの道のり『累 —かさね—』誕生の裏話などをお送りします。

松浦だるま氏は第19回イブニング新人賞で優秀賞を受賞し、その後『累 —かさね—』でデビュー。

松浦だるま氏は第19回イブニング新人賞で優秀賞を受賞し、その後『累 —かさね—』でデビュー。



『累 —かさね—』松浦だるま氏スペシャルインタビュー・前編

(「イブニング」2017年5号に掲載)


漫画に置き換える

——漫画を描き始めたのはいつぐらいからなんでしょう?

松浦だるま(以下、松浦)
小さい頃から、漫画を読むのが好きで、それこそ「ちびまる子ちゃん」とか「美少女戦士 セーラームーン」など年相応の漫画を読んでいました。その流れでキラキラしたお姫様が出てくるような漫画を小学校一年生ぐらいのころから描いていたと思います。
中学生の頃ぐらいからは父親の影響を受け、水木しげる先生の短編集とか手塚治虫先生など読んでいましたね。

——その時から漫画家になりたいと思っていたんですか?

松浦
漠然と漫画家になりたいと思ってはいましたけど、よくある「いつか投稿しよう」というやつでして…。気づいたら大学生になっていました…(笑)。
そもそも、漫画を仕事にすることに対しての不安もあり、普通に大学に通って油絵を勉強していました。でも、気づくとドンドン漫画が魅力的な世界に見えてきていたんです。
あと、在学中に周りから一番評判がよかったのが油絵の作品ではなくて、大学の合宿中の出来事を漫画にした作品だったんです。自然と出来事を漫画に置き換えて考えていることに気づけたんですよね。だから、漫画なんだな、と。
それで中退を決意することになり、投稿を始めました。


「削る作業」

——そこから、新人賞に応募したんですか?

松浦
直接の応募ではなく、完成した原稿をコミティア(※1)の出張編集部で見てもらい、そこから手直ししたものを応募した形になります。
当時、漫画雑誌に詳しくなかったので、知り合いにどこに持っていったらいいか相談したら、いくつか編集部を提案してくれたんです。その中にイブニング編集部があり、持っていったら「修正して、賞に出してみましょう」と言ってもらえて。結果、優秀賞を受賞することができました。

——その後もう一度、新人賞に応募されていますが、2つの作品について違いはありましたか?
松浦
2つの作品の間に、アシスタント経験ができたことは大きかったと思います。どちらが正しいとかではないんですが、アシスタントはやれるなら体験しておいた方がいいと私は思います。
同じアシスタントの人から色々勉強できますし、何より漫画を仕事として活動している人々を見ておくことって、とても大事だと思うんです。社会経験にもなるし、そのアシスタント現場の中にもドラマがあったりするんでインプットにもなってくれます。
あと、新人の頃ってプロの生原稿を見れることってそんなにないと思います。生原稿と印刷物を見比べると全然違うんです。アシスタントに入る前の自分は、「漫画」が雑誌に載っている形は分かっていたんですが、原稿に描かれている「漫画」がどんな形なのか分からず途方に暮れていました。アシスタントに入ることでイメージできるようになると、とても近道になると思います。

——2つ目の受賞作はとても読みやすく、読者を意識した作りになっていますね。

松浦
2つ目の受賞作『雪女と幽霊』はネーム(※2)に1年ぐらいかかっているんです、色々推敲してしまって。でも、あの頃にそういう長い推敲は大事だった気がします。私は、漫画は「削る」作業が大事だと思っているので、それを自分の中で納得するまで吟味する時間が作れたのはよかったのかなと思っています。
ただ、本当はそんなに悩んでないで、担当さんに見せて客観的に感想をもらうのも大切です。その時には自分が何を描きたいのかをしっかり伝えてください。自分の個性や武器をどう商品として売り出していくかは、担当さんから客観的な感想や意見をもらい相談しながら作っていってほしいです。

第19回イブニング新人賞優秀賞受賞作『雪女と幽霊』の1ページ。「削る」作業に苦心してたどり着いた松浦だるま氏納得の作品。

第19回イブニング新人賞優秀賞受賞作『雪女と幽霊』の1ページ。「削る」作業に苦心してたどり着いた松浦だるま氏納得の作品。


——「削る」について、もう少し伺ってもよいですか?

松浦
昔の漫画はページ数が少なくて、絵も今ほど複雑でなく、とにかくシンプルなんです。手塚先生の『ブラック・ジャック』(※3)なんて14ページほどで1話を読み切らせている。もちろん今は見せ方の技術の進歩で見開きなどが入ってくるので、同じページ数でというのは無理な話ではあるんですが、一番見せたいところのためにどう描くのかってのを考えるには昔の漫画は参考になっていました。


そして『累』へ

——2度受賞される間は、何をされていたんですか?

松浦
はい、その間は携帯コミックの仕事をもらって描いたりしていました。100pに近いマンガを描く経験が出来たのは大きかったです。
イブニングの方には、1年くらい連絡することなく過ごしていた時期もあって、担当さんにも忘れられていたと思います。反面教師ですけど、受賞しても安心しないで、プロットでも何でもよいので週1ぐらいで持って行ったほうがいいです!(笑)

——間が空いてしまって、もう一度イブニングへ連絡したのは?

松浦
その期間に出来たプロットの一つが『累』だったんです。これは、絶対持っていかなきゃと、『累』で勝負したいと思えたんです。その後『累』のネームのやりとりを担当さんとしている中で、画力の研鑽が足りていないと感じていたので、『雪女と幽霊』を描きあげて、もう一度新人賞に応募させてもらったんです。

※1 コミティア
おもに東京で年4回開催される「創作(オリジナル)」のジャンルに限定した同人誌即売会。

※2 ネーム
コマ割り、コマ毎の構図、セリフ、キャラ配置などを大まかに表したもの。

※3 『ブラック・ジャック』
「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて1973年より連載開始。無免許天才外科医ブラック・ジャックを主人公にした、医療漫画。


松浦だるま氏スペシャルインタビューの前編はここまで。
インタビューの後編は本日発売の「イブニング」6号に掲載です!




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