『累』最新単行本⑪巻の発売を記念して、著者の松浦だるま氏とモーニング・ツーで好評連載中『デビルズライン』の花田陵氏との対談が実現!

2017/08/08 16:00

イブニングの単行本] [インタビュー・対談

『累 -かさね-』の最新第⑪巻の発売を記念して、著者の松浦だるま氏と「モーニング・ツー」で『デビルズライン』を好評連載中の花田陵氏との対談が行われました!


【花田陵×松浦だるま スペシャル対談】


初対面のふたり 緊張の邂逅

花田陵(以下、花田)
今日は、よろしくお願いします! 初めての対談で、凄く緊張しているのですが…。

松浦だるま(以下、松浦)
よろしくお願いします。いえいえ、私も慣れていなくてドキドキですが、もし話しづらければ私のことは道端の蟻だと思って扱ってください。

花田
いえいえ!(笑) 事前に『累』⑪巻収録分のところを読ませてもらったんですが、とても大事なシーンが入っていましたね。この対談の前に読めて本当に良かったです。

松浦
ありがとうございます。

花田
『累』のこの先の展開を考えながらその部分を読んでいたのですが、読み終わる頃には「もう余計なことは考えず、ただ正座して松浦さんが描く展開を待っていよう」という気持ちになりました(笑)。

松浦
が、頑張ります…!

花田
『累』の凄い所はキャラクターを増やし過ぎず、適切な数のメインキャラクター達を主軸に、ドラマを太い一本のストーリーとして展開しているところだと思います。

松浦
私としては、キャラクターが多く出てくる群像劇、それこそ『デビルズライン』のような作品は理想的で、でもキャラを増やすと私があまり複雑に考えられないので、結果として『累』は人数が少なめなのかなと。

花田
逆に『デビルズライン』の場合はキャラクターが多いから、いろんな人のドラマが描けるぶん、読者からすると「このキャラの話よりも別のキャラの話が読みたい」という意見もあるだろうと思うのですが、『累』はそうではなくて一本道のストーリーを膨らませて面白く読ませていく、というのが凄いと思います。芯の強い作品です。

松浦
そう読んでくださってるんですね。嬉しいです、やったー!(笑)

花田
いい脚本は、混乱を招くような不要なミスリードを与えなかったり、テーマ性がブレなかったり、読者が読んでいる途中で迷子にならずに物語についていけるものだと考えていて、それが一貫してできている『累』の脚本に凄い憧れているんです。


境界の上に立つ存在を描く

松浦
褒め合いになっちゃうんですが、『デビルズライン』は全体に張りつめる緊張感が凄いですよね。

花田
そんな、恐れ多いです!

松浦
『デビルズライン』って、ストーリーはもちろんなのですが「絵」の緊張感がとにかく好きなんです。あれだけのキャラクター達を一人ずつ丁寧に描いていて情報過多になってないので、どのキャラクターがどこで何をしているのかがしっかり分かるんです。だから、人間関係もより魅力的なモノになって人間の弱さが浮き立ってくるというか。

花田
人間の弱さというと『累』も主人公が自分を認められない様などはまさしくそれで、見事に描かれていますよね。そういう意味ではテーマ性で根底に共通点があるんだと思います。

松浦
分かります。『累』は美醜、『デビルズライン』は人か人でないか、主人公それぞれが境界の上に立つ存在であるところとか、根っこで同じテーマなんだと思います。

花田
『累』の「美醜」のテーマというのはどうやって生まれたんですか?

松浦
最初は、口づけで顔が入れ替わるというアイデアがあって、詰めていくうちに自然と「美醜」について考え始めていました。

花田
アイデアからなんですね。

松浦
不思議なもので、それまでの人生の中で「美醜」というテーマをそんなに深く考えることなんてなかったんですが、作品のためにいざ考え始めると、無意識下で自分も結構「美醜」について気にしたり考えたりしていたことがわかったんです。

花田
そうだったんですね。ちなみに口づけで顔が入れ替わるというアイデアは何から思いつかれたんですか?

松浦
これというのがなくて、それこそ降りてきたというんですかね(笑)。

花田
そのアイデアが凄く斬新でした。第1話の見開きで顔が入れ替わった直後のシーンがあるんですが、改めて見てもゾクっとさせられます。

松浦
効果的に伝わっているようでしたら、安心です。


『累』キャラクターの魅力

花田
作品を通して言えるんですが、女の子が凄くかわいいですよね! 私自身が女の子を描くのが苦手なので、松浦さんの描かれる女の子がとても魅力的に見えます。

松浦
あまり自覚は無いのですが…。

花田
でも私、元の醜い累の顔も大好きなんです。

松浦
本当ですか! 嬉しいです。

花田
顔を奪って、舞台に立つ累も凄い好きなんですけど、⑪巻では本来の累の顔が多く見れて嬉しいです。

松浦
そんなお言葉聞けて嬉しいです。成仏できそうです。

花田
成仏!?(笑) でも、累だけでなく『累』に出てくる女性たちの凛とした姿、特に目力は到底真似できないなと思いながら読んでます。累が舞台で演じている美しい表情も怒りの鬼のような表情も幅があって、キャラクターの感情がダイレクトに伝わってきます。

松浦
激しく感情が動くシーンは、私にとって描きやすいのかもしれません。花田さんは細かい感情の動きを表情で絶妙に描いてくれていて、さらに人間性まで表情から伝わってきて、堪らないです。

花田
お互いファン目線で語っちゃいますね(笑)。


漫画の描き方

松浦
漫画家さんと話すと必ず描き方の質問をしてしまうんですが、花田さんはどこからデジタル作業なんですか?

花田
ペン入れまでアナログです。最近はホワイトまでアナログでやってからデジタルでトーン作業をやっています。

松浦
私も同じです! …いつもこれでこの話題は終わっちゃうんですが(笑)。

花田
いえいえ(笑)。昔と比べてパソコン作業は疲れが溜まりやすく体調に響くようになってしまって、少しずつアナログでの作業を増やしています。以前はホワイトもデジタルでやっていたんですが、疲れちゃって…。アナログとデジタルの疲れ方は違うように思います。

松浦
あ、それ分かります。パソコンの作業って長時間画面を見てるから、疲れが目から全身に広がっていくんですよね。コントロールしづらい疲れなので私も極力デジタルの作業は減らしたいと思っているんですよ。でも、トーンは圧倒的にデジタルの方が早いですよね。作業をひとつ前に戻すのもショートカットキーで済みますし。

花田
たまにアナログで作業している時に「ctrl+z」(※「元に戻す」ショートカットキー)を無意識に探している自分がいます(笑)。

松浦
職業病ですね(笑)。現実は取り返しがつかないんだよなぁ。


1話ができるまで

花田
『累』の1話を作る工程を聞きたいんですが、ネーム(※コマ割り、コマ毎の構図、セリフ、キャラ配置などを大まかに表したもの)を描く前に文字のプロットとかは作成するんですか?

松浦
はい。まず文字のプロットでまとめます。ただ、最近ちょっとやり方が変わってきて、これまでは1話の内容をセリフ含め全て文字でまとめていたんですが、最近はセリフをすべてかっちりと文字で固めずに次の段階の仮ネームに入って、それから推敲して本ネームを描いています。

花田
工程は私も似てます。セリフを含むプロットを文字で一回全部まとめるんですが、ネームで描き起こすと全く違う話になってたりします。セリフを固めないでネーム作業に入るのはどうしてなんですか?

松浦
文字でまとめてあると、それに囚われて思考が停止してしまうことが多いんですよね、最近。絵の段階で組み立てていく方法でないとスタートができないんです。やり方は常に試行錯誤してます。

花田
私の場合、キャラクターに言わせないといけないことを全部書き出していき、「同じ情報が2回出てきているな」とか「このセリフは後で出した方が効果的だな」とかを、文字にまとめることでチェックしています。A4サイズの紙4枚分ぐらいをメモ帳でまとめて書いてからネームに入ってますね。

松浦
A4サイズ4枚なんですね。私、プロットは手書きでまとめてます。気づくと7~8枚ぐらいになってしまっていて…。書き殴りや落書きがところどころであって自分でもたまに何て書いたか読めない時があります(笑)。

花田
それ、よくありますよね! 自分も修正箇所を走り書きでメモすると、後でそれが読めなくて、何を修正したら良いか途方に暮れる時があります。私はA4サイズ4枚で大体原稿40ページぐらいになるんですが、7~8枚だと多くならないんですか?

松浦
その7~8枚から「削る」作業は必ず入れてます。ブワーと書いた中から抜き出していって段落にしてまた削って、花田さんと一緒で繰り返しがないようにしたりして整頓してみて描けそうだなという感覚があればネームに入ります。この作業部分は急いでやるようにしていて、そうしないとアイデアが頭の中から逃げていってしまうんです。

花田
他の漫画家さんでもそういうことおっしゃられる方いますよね。

松浦
「降りてくる」と言う方もいますよね。個人的な意見ですが、これって今まで蓄積してきた情報とかが整理された状況の時に頭に出てきてくれるのかなって。

花田
確かにそうかもしれません。所謂「降りてくる」感覚ですが、私は皿洗いをしている時や音楽を聴いている時とかのタイミングで突然ブワーと出てきたりします。

松浦
私もです! 電車で移動中とかお風呂中とか多いです。お風呂でアイデアが浮かんだ時は忘れないよう上がってから急いで書き残すようにしています(笑)。

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