第22回イブニング新人賞、最終審査結果発表!
2014/03/20 13:00
[新人賞]
第22回イブニング新人賞の最終審査が行われ、二次審査通過7作品の中からの選考となった今回の最終審査結果を発表します。
優秀賞 賞金15万円+マンガ制作応援賞品1点
「ワシが昔クジラだった頃」
そうやって始まるおじいちゃんの話を聞いて育ったゆき。彼女は昔からおじいちゃんの話が好きだった。しかし、両親の死をきっかけに心を塞いでしまった彼女は、優しいおじいちゃんとも距離を置くようになっていた——。
今回の応募作の中で一番構成力があると思います。とても良く出来ていて、センスを感じました。最初でオチが見えてしまう作品ではありますが、演出力がしっかりしているので、最後まで読ませることが出来ています。背景や人物絵などは、まだまだこれからなので、努力を怠らず頑張ってほしいです。
前回挑戦した時よりも、全てにおいてレベルアップしていると思います。特に話の構成力が格段に上がっていて、成長の跡が見えました。まだまだ絵の描き方に粗さが目立つので、もっと丁寧に描くことを心がけて、より完成度の高い作品に仕上げられれば連載も間近かと!
選んでいただきありがとうございます。川からクジラの全身化石が出た、というのは地元で実際にあった話です。いろいろ思うところはありますが、登場人物が思いがけない歩み寄りを見せてくれたところが全てだと思いました。とはいえ、まだまだなところがたくさんあるので頑張ります。(太田つむる)
優秀賞 賞金15万円+マンガ制作応援賞品1点
ある日突然、彼氏を連れて実家の両親の下を訪れた恵美。親として得体のしれない男を認める訳にはいかない父は、恵美の彼氏と対決することに! 父という偉大な壁を越えて、恵美は無事彼氏と結婚することが出来るのか!?
すごい評価に困りましたが、来るとわかっている展開でも笑えてしまったので、良い点を付けました。ただ、この後イブニングでデビューするためには、相当の努力が必要なのも確かです。ギャグ作品の場合、クオリティーを落とすことなく、描き続けることが大事だと思います。
とてもテンポが良く、繰り返し読みたくなるギャグ漫画。思い切りの良いオチと間のとり方のうまさが、心地良いテンポを生んでいるのだと思います。それは同時に何度も読み返したくなる魅力にもつながっているように感じました。
優秀賞ありがとうございます。大変光栄ですし、恐縮しています。これを機にもう少ししっかりしなくてはと思っている次第です。まずは部屋の壁の穴を修理しようかと思います。この先も精進しますので、よろしくお願いいたします。(横山裕人)
奨励賞 賞金5万円+マンガ制作応援賞品1点
幼なじみの宮下とパートリーダー長岡のキスを目撃してしまった吹奏楽部・花田は街を彷徨い、玩具店で「忘れな草」と書かれたカプセル入り玩具を見つける。誤解だらけの三角関係と大会直前の緊迫した状況に、不思議なアイテムが事件を起こす!?
絵柄はとても可愛らしくて、すんなり作品に入れました。そこが評価のポイントですが反面、それだけという印象も持ってしまいました。ストーリーやキャラクターの部分は未熟で絵柄自体も可愛いのですが、今のままではイブニングに合っているとは言い難い。今の良さを活かしながら、もうひとつ秀でた何かが欲しいところです。
第17回のイブニング新人賞奨励賞を受賞している河田氏。当時、自分の経験から感じたことを表現できていないと指摘されていたが、今回はそのマイナス部分を恋愛を軸にしたことでやや改善したが、更にそこのレベルアップが課題です。
今回、何度も作りなおしたのですが、結局今までで一番心残りが多いものになってしまい、受賞の報告をあまり素直に喜べませんでした。ただ、この原稿を通して得たものはとても大きかったので、次の作品につなげていけるように頑張りたいです。編集部の皆様ありがとうございました。(河田映介)
奨励賞 賞金5万円+マンガ制作応援賞品1点
「ニート卒業」のため、バイトを始めた有馬25歳。だけど初日から店長に怒られ、年下のバイト仲間には嫌味を言われ、母親との関係もぎくしゃく。有馬は誤発注で大量に届いた、いらない「ぶたねこ」グッズと自分を重ねるが——。
ストーリーをまとめる力があり、情報をコントロールすることが出来ています。しかし、画力がまだ足りておらず、イブニング誌面に載るレベルではないことも確かです。特徴も際立ってあるわけではなく、どこで勝負すればいいのか悩んでしまう。自分の漫画と言えばこれだ!と強く言える武器を作ることがこれからの課題だと思います。
味のある独特のタッチ、そして身近な出来事や何気ない日常を漫画として読ませる力、また短いページ数の中で物語をまとめた点を評価しています。今後は「脱・無難」を目指し、多少荒削りでも「自分の売り」を見つけ、どんどん伸ばしていって欲しいです。
ありがとうございます。もっとたくさんの人に読んでもらえるように、これからも頑張ります。読んでわくわくしたり、心の拠り所になったりする、人の役に立つ漫画を描きたいです。(田ノ岡高志)
最終候補作品は、どれも個性的な作品で面白く読めました。しかし、全体的にありきたりな題材で描かれており、置きにきた感じで作品自体も小粒なモノが多く、パワーのある作品がなかったのが残念でした。
新人の今だからこそ描けるチャレンジした作品が少なく、もっと高みを目指した作品があると良かったのにな、と思います。
優秀賞 賞金15万円+マンガ制作応援賞品1点
太田つむる(東京都・23歳)
『海のないクジラの中で』
あらすじ
そうやって始まるおじいちゃんの話を聞いて育ったゆき。彼女は昔からおじいちゃんの話が好きだった。しかし、両親の死をきっかけに心を塞いでしまった彼女は、優しいおじいちゃんとも距離を置くようになっていた——。
審査員長講評
担当者からひとこと
受賞コメント
試し読み
優秀賞 賞金15万円+マンガ制作応援賞品1点
横山裕人(東京都・23歳)
『VS.父』
あらすじ
審査員長講評
担当者からひとこと
受賞コメント
試し読み
奨励賞 賞金5万円+マンガ制作応援賞品1点
河田映介(東京都・23歳)
『忘れな草』
あらすじ
審査員長講評
担当者からひとこと
受賞コメント
試し読み
奨励賞 賞金5万円+マンガ制作応援賞品1点
田ノ岡高志(愛知県・27歳)
『ぶたねことニート』
あらすじ
審査員長講評
担当者からひとこと
受賞コメント
試し読み
審査員長総評
新人の今だからこそ描けるチャレンジした作品が少なく、もっと高みを目指した作品があると良かったのにな、と思います。
イブニング編集長 栗田宏俊